2025.6.14 (土)
2025 明治安田J1リーグ 第20節
FC東京 × セレッソ大阪
( 味の素スタジアム,19:00 )
match memo
- インターナショナルマッチウィークを挟み、2週間ぶりの開催となるJ1リーグ戦は今節から後半戦に突入。我らがFC東京は中断前のリーグ戦を3連敗で終えており、前半戦のうち1試合を未消化ながら暫定で18位。特に5/25の広島戦と5/31の京都戦は共に0-3の完敗で、試合内容も見せ場に乏しく、先行きの見えない苦しい状況だ。FIFAクラブワールドカップの開催に伴い6月初頭に特別移籍期間が設けられた中、クラブは積極的に補強を実施。2020年に東京からドイツのハノーファーへ移籍した室屋を再獲得すると、GKの金承奎、FWの長倉、DFのショルツといったJリーグで実績のある選手たちをフリートランスファーやレンタルで獲得。松橋監督体制のまま、戦力補強によりJ1残留を目指す姿勢を分かりやすく打ち出した。今節は、リーグ戦で調子が上向きの8位・セレッソ大阪をホームに迎えての一戦。新戦力組からは室屋がさっそくスタメンに入った。
- 東京のスタートのシステムは4-2-3-1。シーズン初頭から粘り強く採用してきた3-4-2-1を遂に諦め、慣れ親しんだ4バックに戻した形だ。するとこの効果はすぐさま現れる。3分、東京は相手陣内のボールにハイプレスをかけてボールホルダーのルーカスを左サイドに追い込み、高と遠藤が挟んでボールを奪取。すかさず高がスルーパスでヒアンへ繋ぎ、ヒアンが難なく流し込んで1-0。幸先よく東京がリードを奪う。なおも東京の勢いは止まらず、9分には遠藤のスルーパスに再びヒアンが抜け出してGKと1vs1の局面からループシュートを狙うものの、クロスバーに弾かれて追加点を奪えず。その後も長短のキックを織り交ぜながら攻撃を繰り出すものの、1-0のまま推移する。すると41分、C大阪は自陣でのピンチを防いでのこぼれ球を香川が回収し、裏のスペースへ走ったハットンへ絶妙なスルーパス。悠々と抜け出したハットンがGKの波多野をかわして流し込み、1-1の同点。ハイラインを敷いた裏を返された東京が追いつかれ、タイスコアで後半へ折り返す。
- 後半は展開がやや拮抗し、両チーム共に選手交代。東京は60分に東と安斎を下げ、佐藤と俵積田を投入。中央にヒアンと佐藤の2人が揃い、左サイドに俵積田が張るというイメージのつきやすい並びだ。対するC大阪も前線を中心に選手を入れ替え、東京の局面を変えようとするロングボールを跳ね返しながら徐々に支配を強めていく。71分、C大阪は右サイドの裏を返してからのチャンスを跳ね返されるものの、東京ボールのスローインから田中がボールを奪うと、ハットンが落としてからルーカスが裏に出したボールにタイミングよく走り込んだ田中が決めて1-2。中盤でのボール回収から流れを掴んだC大阪が逆転に成功する。リーグ戦で4試合連続となる複数失点、そしてビハインド。もはやシステムを変えても駄目なのか―。そんな思いが微かに去来する中、東京がここからしぶとく食い下がる。
- 78分に俵積田がドリブルで左サイドを切り裂き、狭い角度から強引にニアを狙うパワーシュート。これはポストを直撃して決まらないが、同点への強い意欲を見せる。すると81分、左からのサイドチェンジを途中出場の野澤が右で収めると、裏のスペースを狙ったヒアンへタイミング抜群のスルーパス。抜け出したヒアンがGKとの1vs1をゴール左隅に流し込み、2-2の同点。再び活気を取り戻した味スタの雰囲気の後押しを受けて猛攻を仕掛ける東京は、後半ATにも野澤がハーフスペースまで切り崩して決定機を作るものの、折り返しを高が押し込めず、エヴェルトンもプッシュに失敗。土壇場の決定機を逸してしまい、このままタイムアップの笛。あと一歩のところで再逆転に届かなかった東京は、勝点1を得るに留まった。
- まずは、「負けなくて良かった」というのが最初の感想だ。システム変更という大きな判断をして臨む後半戦最初のゲームとあって、まずは結果が欲しかった。そこである程度狙った形でゴールを奪い、勝点を確保することができたのは良かった。攻撃面ではハイプレスからの速攻が機能していたし、後方でのパス回しで相手のプレスにはめられそうになってもロングボールを織り交ぜながら自陣でのロストを回避することができていた。2得点を挙げたヒアンはもちろんのこと、5年ぶりの東京でのプレーとは思えないほどのフィットぶりを見せていた室屋や、途中出場で印象的なパフォーマンスを見せた俵積田や野澤など、サイドの選手が生き生きとプレーできていた。これは4-2-3-1へのシステム変更の賜物といえるだろう。一方で、ロングボールで局面を打開しようとしてもC大阪にすぐさま回収されて守勢に回ったり、ハイラインを敷いたがために裏のスペースを使われてしまったりと、守備面ではこれまでの課題があまり改善されていないようにも見えた。ただ、総合的には3バックよりも4バックの方がまだ修正が効きやすそうな印象。システム変更の決断は間違っていないと感じた。6月下旬は重要なゲームが続くだけに、これを契機にチーム状態が上向いていくことを祈りたい。
FC東京 |
2 |
1 | 前半 | 1 |
2 |
セレッソ大阪 |
1 | 後半 | 1 |
|
|
|
マルセロ ヒアン | 3' | 得点 | 42' | ラファエル ハットン |
マルセロ ヒアン | 81' | | 71' | 田中 駿汰 |
GK | 13 | 波多野 豪 | GK | 1 | 福井 光輝 |
DF | 2 | 室屋 成 | DF | 16 | 奥田 勇斗 |
| 3 | 森重 真人 | | 33 | 西尾 隆矢 |
| 4 | 木本 恭生 | | 44 | 畠中 槙之輔 |
| 99 | 白井 康介 | | 6 | 登里 享平 |
MF | 18 | 橋本 拳人 | MF | 5 | 喜田 陽 |
| 8 | 高 宇洋 | | 8 | 香川 真司 |
| 7 | 安斎 颯馬 | | 77 | ルーカス フェルナンデス |
| 10 | 東 慶悟 | | 55 | ヴィトール ブエノ |
| 22 | 遠藤 渓太 | | 11 | チアゴ アンドラーデ |
FW | 19 | マルセロ ヒアン | FW | 9 | ラファエル ハットン |
GK | 41 | 野澤 大志ブランドン | GK | 21 | 金 鎭鉉 |
FP | 5 | 長友 佑都 | FP | 3 | 進藤 亮佑 |
| 16 | 佐藤 恵允 | | 10 | 田中 駿汰 |
| 28 | 野澤 零温 | | 13 | 中島 元彦 |
| 30 | 岡 哲平 | | 14 | 舩木 翔 |
| 32 | 土肥 幹太 | | 19 | 本間 至恩 |
| 33 | 俵積田 晃太 | | 22 | 髙橋 仁胡 |
| 37 | 小泉 慶 | | 35 | 吉野 恭平 |
| 98 | エヴェルトン ガウディーノ | | 48 | 柴山 昌也 |
マルセロ ヒアン | | 3' | 得点 | | | |
| | | 得点 | 42' | | ラファエル ハットン |
| | | 交代 | HT | | 登里 享平 |
| | | 髙橋 仁胡 |
| | | 交代 | 56' | | ヴィトール ブエノ |
| | | 中島 元彦 |
東 慶悟 | | 60' | 交代 | | | |
佐藤 恵允 | | | |
安斎 颯馬 | | | |
俵積田 晃太 | | | |
| | | 交代 | 66' | | チアゴ アンドラーデ |
| | | 本間 至恩 |
| | | 香川 真司 |
| | | 田中 駿汰 |
| | | 得点 | 71' | | 田中 駿汰 |
遠藤 渓太 | | 75' | 交代 | | | |
野澤 零温 | | | |
マルセロ ヒアン | | 81' | 得点 | | | |
マルセロ ヒアン | | 84' | 交代 | | | |
エヴェルトン ガウディーノ | | | |
木本 恭生 | | | |
岡 哲平 | | | |
| | | 交代 | 85' | | ラファエル ハットン |
| | | 柴山 昌也 |