2018.05.19 - 明治安田生命 J3リーグ 第11節
鹿児島ユナイテッドFC × SC相模原
( 白波スタジアム,13:00 )
前週に天皇杯の都道府県予選(決勝)を行っていた関係で、2週間ぶりの開催となるJ3リーグ。鹿児島の白波スタジアムでは、現在5試合負け無しの鹿児島と、4試合負け無しの相模原という好調のチーム同士の対戦カードが組まれた。鹿児島は開幕直後に黒星が先行し、やや出遅れた感はあったものの、4月に入って以降は負け無し。第10節を終えて、首位・沼津を勝点「2」差で追う3位まで上昇している。今節の結果次第では首位浮上の可能性もあるだけに重要な一戦だ。一方の相模原も、未だ10位に沈んでいるとはいえ、調子は上向き。上位との勝点差を詰めるためにも負けられない試合である。
試合は前半から鹿児島が攻勢。30℃を超える暑さの中、相模原は高い位置からプレスをかけるものの、鹿児島が裏を突く。15分、左サイドの藤澤のロングパスに抜け出した五領が、PAを飛び出してカットを試みたGK・田中をかわしてからのラストパスを永畑がフィニッシュするも、シュートは枠の左に外れて先制ならず。その後も高めのDFラインを設定しながらやや浮足立った対応の多い相模原に対して鹿児島が優位に試合を進めるものの、暑さも影響してか、なかなか迫力のある攻撃が続かない。相模原も最終ラインでは粘り強く対応し、枠内にシュートを撃たせず。付け入る隙を確実に突けなかった鹿児島にとっては勿体ない内容で、0-0のまま前半を終える。
後半に入り、最初のチャンスを迎えたのは相模原。52分、左サイドからのクロスのこぼれ球を辻尾が強引にシュートへ持ち込むと、PA内でブロックに入った藤澤の肘付近にボールが当たったプレイに対して主審がPKの判定。鹿児島の選手たちの猛抗議も実らず、相模原は菊岡がPKキッカーを務める。しかし、右隅のコースを狙った菊岡のキックは枠の右に外れて失敗。鹿児島は事なきを得る。すると77分、鹿児島は右CKを獲得し、五領が左足で巻くボールを放つと、これが中央で競ったジョンの頭に当たって僅かにコースが変わり、ゴールに突き刺さって1-0(記録は五領の得点)。終盤に差し掛かったところで遂に鹿児島が先制する。しかし85分、相模原の右サイドからのクロスに対して飛び込む動きを見せた途中出場のジョンガブリエルが、競り合った田中(秀)と縺れるように倒れこみ、これがPKの判定。この日2度目となる微妙なPKの判定に、田中(秀)をはじめ鹿児島の選手たちが一様に不満の声を上げる中、ジョンがPKを決めて1-1の同点。鹿児島にとっては土壇場でリードを追いつかれ、精神的にも非常に難しい状況に立たされたはずだった。しかし鹿児島はすぐさま残り2枚だった交代カードを切り、再び攻勢。ドローを見据えて自陣を固める相模原を相手に波状攻撃を仕掛ける。するとAT2分、左サイドでボールを受けた藤澤がクロスを上げると、ファーサイドから飛び込んだ田中(秀)のヘディングシュートがゴール左隅に突き刺さり、2-1。痛恨の同点PKを献上した田中(秀)による汚名返上の一発で再び鹿児島が勝ち越し、まもなく試合終了。鹿児島は、試合を優位に進めながら接戦に縺れ込ませてしまった点で課題が残ったとはいえ、終盤に勝負強さを見せて勝点「3」を積み上げ、暫定で首位に浮上。相模原も粘りを見せたが、交代カードを使い切った直後に先制点を許したのが痛かった。