2017.06.17 - 明治安田生命 J1リーグ 第15節
川崎フロンターレ × サンフレッチェ広島
( 等々力陸上競技場,19:00 )
現在、J1で9位の川崎だが、上位との勝ち点差は非常に詰まっている状況。ACL出場のため消化試合数も少なく、順調に勝ち点を積み上げれば一気にトップ3が視野に入る状況だ。更に今節は、怪我による長期離脱を余儀なくされていたエウシーニョが戦列に復帰し、いきなりのスタメン出場となる。一方の広島は、シーズン序盤の苦境を未だに脱することができず、現在は16位とJ2降格圏内。何とか浮上のきっかけを掴みたいが、2日前に塩谷がUAEのアルアインへ移籍することが発表。寝耳に水の報せに、チームは揺れている。
試合は前半の早い時間からヒートアップ。17分、広島陣内でのファウルから両チームの選手が入り乱れての小競り合いが起き、球際の激しさを窺わせる。するとその直後のリスタートのカットに入った柏の頭部を強烈なシュートが直撃。ピッチに昏倒した柏は起き上がれず、そのまま清水に交代となる。強力なサイドアタッカーを失った広島に対し、川崎はそのままゲームスピードを上げて先制を狙うものの、広島も守備が持ちこたえ、ボールを奪ったら川崎の圧力を受け流すようにスローダウン。攻撃では1トップの皆川に対してシンプルに放り込む場面も見られ、苦しい状況ながら様々な手段でゴールに近づこうとする意図が感じられた。試合は0-0で前半終了。
後半、試合が動いたのは56分。川崎は中盤のエドゥアルドネットがゴール前に縦パスを入れると、これを中央のエウシーニョがフリーの阿部に落とす。これに対する広島の寄せが遅れた矢先、阿部の地を這うようなミドルシュートがゴール左隅を見事に撃ち抜き、川崎が遂に広島のゴールをこじ開けることに成功した。ゴールが必要となった広島は、67分に中盤の攻撃的な位置に森島を投入。この森島が左サイドの清水と良い連携を見せることで、逆サイドのミキッチもフリーとなる場面が増え、流れは広島へ。73分にはそのミキッチのクロスに皆川が打点の高いヘディングを放つが、シュートは無情にもクロスバーを叩く。終盤には途中出場の宮吉もゴール前で良い働きを見せ、後半ATにはPA内で清水のシュートをお膳立てするが、この決定的な場面も鄭成龍にセーブされ、万事休す。アクシデントに見舞われながらも果敢に攻めた広島だが、得られた勝ち点はゼロという残酷な結末に。ワンチャンスをものにした川崎は、終盤に奈良の投入で3バックに移行するなど手堅い逃げ切りを見せ、大きな勝利を飾った。